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風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業 | 風俗営業で飲食物を提供する場合 | 風俗営業許可を受けるための要件 | 風俗営業の法人化で特に注意すべき点

風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業

一般的にはファッションヘルス、ソープランド、アダルトショップ等を風俗店と総称されています。
しかし、これらは性風俗特殊営業と呼ばれ、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営適正化法」という)において、風俗営業とは明確に区分されています。
また、風俗営業と類似しているものに深夜酒類提供飲食店営業があり、一般にはバー、スナック、酒場等と言われています。
深夜酒類提供飲食店営業とは、午前零時から日の出までの時間に客に酒類を提供する飲食店のことを言い、通常主食として社会通念上認められている米飯類、パン類、麺類、ピザ、お好み焼き等を提供している飲食店は除かれています。
深夜酒類提供飲食店営業(バー、スナック等)と風俗営業(2号営業)(クラブ、ラウンジ等)は一見よく似ていますが、風俗営業(2号営業)は「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業」であり、分かりやすく言うと、横に座って酌をする場合はこの接待に当たるため、風俗営業(2号営業)となり、カウンター越しでの会話や酌をする場合はこの法律でいう「客の接待」には当たらず、深夜酒類提供飲食店営業となります。
なお、深夜酒類提供飲食店営業については、営業を開始しようとする日の10日前までに都道府県公安委員会(窓口は管轄警察署)に営業開始届を提出しなければなりません。

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風俗営業で飲食物を提供する場合

一般に、風俗営業では飲食物を提供しますので、食品衛生法に基づく飲食店営業許可を受けなければなりません。
許可の基準については、食品衛生法上、都道府県の条例で定めることができる内容が多いので、地域により多少異なります。
しかし、麻雀屋やパチンコ屋(7号営業)、ゲームセンター(8号営業)など、必ずしも飲食物を提供しない風俗営業もありますので、この場合は飲食店営業許可は必要ありません。
ただし、例えば瓶ビールを販売している麻雀屋で、瓶の栓を抜かずに客に提供する場合は飲食店営業の許可を受ける必要はありませんが、栓を抜いて客に提供する場合は飲食店営業許可が必要となりますので注意が必要です。

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風俗営業許可を受けるための要件

風俗営業の許可を受けるためには、都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません。
この申請で特に注意することは、後述の「場所的基準」について、申請時点(申請書を提出した日)には要件を満たしていても、許可される日(神奈川県では概ね55日)までに病院等の保護対象施設が近くに開設された場合は許可されないという点です。
そのため、風俗営業を行う場合は事前に十分な調査が必要となります。

人的基準

風俗営業を行うには、@成年被後見人、被保佐人、A破産者で復権を得ない者、B1年以上の懲役、禁固刑、無許可風俗営業や公然わいせつ等の罪で1年未満の懲役又は罰金の刑に処せられて5年を経過しない者、C暴力団員、Dアルコール中毒者等でないこと(一部省略)が必要であり、特に過去に犯罪歴がある人は注意が必要です。
なお、法人で風俗営業を行う場合、役員全員についてこれらの要件に該当しないことが必要です。

構造的基準

風俗営業を行う営業所は、その建物の構造又は設備が風俗営業の種別(1号から8号)に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないときは許可を受けることができません。
その内容は、風俗営業の種別に応じて床面積、間仕切り(椅子の背もたれを含む)の高さ、写真、広告物、装飾、出入口の施錠、照明の明るさ、騒音、振動、料金の表示等が細かく定められています。
2号営業(クラブ、ラウンジ等)での構造的基準の主なものは下記の通りです(神奈川県の例を一部抜粋)。
@ 客室床面積和室1室につき9.5平方メートル以上、洋室1室につき16.5平方メートル以上(客室が1室のみのときは制限なし)
A 営業所の外部から客室が見えないこと
B 客室に見通しを妨げる設備がないこと
C 客室内の照度が5ルクスを超えること
D ダンスをする踊り場がないこと
E 風俗を害するおそれのある写真・装飾等の設備がないこと
F 騒音・振動の数値が条例で定める数値以下であること
G 客室の出入口(営業所外に直接通ずる出入口は除く)に施錠の設備を設けないこと
構造又は設備がこれらの要件に該当しない場合は、改修工事等を行い、要件に該当する状態にした後に申請を行う必要があります。
また、許可を受けた後に構造又は設備を変更する場合も、軽微なものを除き、必ず事前に届出を行う必要があります。

場所的基準

風俗営業を行う営業所は、良好な風俗環境を保全するため、特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるときは許可を受けることができません。
場所的基準は都道府県によって異なりますが、その要件はおおむね下記のとおりです。

@都市計画法上の用途地域に関する制限

用途地域とは、住居系、商業系、工業系など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、12種類あります。
これらの要件は都道府県の条例により定められていますが、主に住居系地域では風俗営業を行うことができず、工業系地域では、一定の要件を満たしている場合のみ営業が可能で、商業系地域では、工業系地域よりも要件が緩和されています。

A保護対象施設からの距離

保護対象施設とは、学校教育法に定める学校、児童福祉法に基づき認可を受けている保育所(24時間制の無認可保育所等は対象外です)、病院、診療所で入院施設を有するものをいいます。
風俗営業は、これらの施設が一定の距離以内にある場合は営業ができず、その距離は営業所の用途地域により定められています。
ただし、繁華街等で、保護対象施設からの距離に関係なく、風俗営業を行うことができる容認地域が定められている場合もあります。

ポイント

許可されても許可に種々の条件が付いていたり、その条件そのものが変わったりするときがあります。申請者は許可条件に基づいて営業することになります。
また、風俗営業の許可を受けた者は、自己の名義をもって他人に風俗営業を営ませることはできません(名義貸しの禁止)。これに違反した場合は、刑罰もしくは行政処分を受けることがあります。

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風俗営業の法人化で特に注意すべき点

風俗営業に関しては、個人事業で許可を受けており、法人化する場合でも、営業譲渡ではなく法人化での新規許可という取扱いになります。
しかし、風俗営業許可は、相続や法人の合併、分割等の一定の場合を除き、同じ営業所(店舗)で複数の者が許可を受けることはできず、法人化の場合は、事前に個人事業での営業を廃止しなければ許可を受けることができません。
この場合、法人での許可申請期間中(概ね55日間)は、当然に営業を行うことはできなくなり、もしこの期間中に営業を行えば、無許可営業として処罰の対象となります。
ただし、このような場合は特別な取扱いをしている都道府県公安委員会(実際は管轄警察署)もありますので、事前に相談しておくことが必要です。
また、あくまで法人での許可は新規の許可となりますので、人的基準、構造的基準、場所的基準をすべて満たさなければなりません。
個人事業で許可を受けており、法人で全く同じ条件で許可申請を行っても、法人での許可申請時点で近くに保護対象施設等が設置されている場合は許可を受けることができません。
また、法人での新規許可時点で用途地域が変更されており、風俗営業ができない地域となっている場合も同様に許可を受けることができなくなります。

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